アキトの履歴書 29

2009.10.26

 
(駆け出し 6)
 
 それからは小糸製作所向けの引張りばねをよく作った。
 
その類(たぐい)の品が新幹線に採用され、当時、日発の自慢話になっていた。
 
数量の少ないものは手加工、数量の多いものはプレスでフック加工をしたものだ。
 
 中でも本田向けのブレーキシューSP(スプリング)は、当時右肩上がりの製品で、大変な量産数量になっていた。
 
 だが、対応は人海戦術だったから大変な事になっており、
 
ようやく、旋盤巻きからコイリングマシンの生産へと移行した。
 
 これがウチのコイリング導入の最初であった。
 
大手メーカーの製品は、設計から事細かに規格設定されており、組立に至るまで量産の数量が多大である分、
 
1ヶでも規格外=不良と判定されればロットアウトとなり、その場合は、
 
全数選別をするか代替品に全て入れ替えるか、いずれにせよラインストップは許されない。
 
 全数保証を余儀なくされ、部品メーカーとして常にプレッシャーを感じながら
 
対応する事が下請けを継続できる事であり、とても大変なことだった。
 
 嫌でも個々の生産品の製造工程や技術の改善、改良をして安定供給に繋げる努力が必要であった。
 
 

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