アキトの履歴書 38

2010.4.16

 
(青年期2~ローメン)
 
 昭和30年代後半。娯楽と言えば、映画、パチンコ、ラーメンを食べに出ること位だった。
 
 ある時、隣町の伊那にうまいローメン(注1)屋があるので食べに行こうと、仲間数人で電車に乗り出かけた。
 
 入舟(注2)だったと思うが、近くに2件パチンコ屋があり、パチンコで一稼ぎしてから
 
ローメンを食べようという事になり、お昼までに2時間ほどあったのでパチンコをしていた。
 
 小一時間過ぎた頃に、手持ちの小遣いをほとんど使い果たした仲間の1人が私のところに来、
 
少し玉を回してはいたが、また1人、スッたと言って近くに来たので
 
「おい、このままではローメンどころか帰りの電車賃もなくなるぞ」
 
と、あわてて止め、ギリギリ残っていたお金で何とか食べて帰って来た思い出がある。
 
確かにうまいローメンだった。
 
現在も、あのローメンに代わるものは見あたらない。
 
 1ヶ月働いて給料が6~7千円の時代であったので、派手に使えばそのローメンにもありつけないところだった。
 
 
(注1)
 
 ローメンは、マトンなどの肉とキャベツなどの具となる野菜を炒め、それに蒸した太めの中華麺を混ぜ加えた、
 
長野県伊那地方の特有の名物麺料理。
 
 ラーメン用のスープを加えるもの(ラーメン風)と、加えないもの(焼きそば風)があるが、
 
そのどちらとも異なる独特の風味の料理である。好みにより、にんにく、油、酢などをかけて食べる。
 
 今では、ローメンをメニューに載せている店は伊那地方で100軒近い。
 
 
(注2)
 
 入舟(いりふね)は伊那市の中心部にある地名。伊那は、南アルプスと中央アルプスに挟まれた
 
伊那谷の北部に位置する町で、その中心地近くに天竜川が流れる。
 
天竜川とJR飯田線の線路脇にあるのが飲み屋街として知られる入舟である。
 
 かつて、人口規模のわりには飲食店が多い街として、全国で5本の指に入ると言われた事もあるほど。
 
現在でも多くの店が軒を連ねる。
 
 
 
 

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